店舗ビジネスを始める際、多くの人がまず気にするのが「どこで店を構えるか」という問題です。飲食店やサービス業では立地の重要性が語られますが、実際には“一等地至上主義”にこだわらなくても十分に成功できます。むしろ、場所選びの前に本当にやるべきことがあり、それを明確にするかどうかで結果は大きく変わります。
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■ 最初に必要なのは「立地」ではなく「店のイメージ」
出店の第一歩は「どんなお店にしたいのか」というイメージを固めることです。開業の動機、提供したい価値、店の雰囲気、客層のイメージなどを整理していくことで、店舗コンセプトが明確になります。
このイメージがあいまいなまま立地だけを追いかけても、「この場所ではコンセプトを実現しづらい」「思っていた客層が来ない」といったミスマッチが起きがちです。まずコンセプトありき、立地はその次という順序が成功の鍵となります。
■ まるっと居抜きを使えば初期投資を抑えられる
近年、まるっと居抜きを活用した出店が一般化しています。前店舗の設備や内装をほぼそのまま使えるため、ゼロから店づくりをするより圧倒的にコストを抑えられ、開業までの期間も短縮できます。
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本来“一等地”は家賃が高く、開業時に莫大な費用がかかります。しかしまるっと居抜きを使えば、同等の設備を低コストで確保でき、固定費を抑えながら理想の店づくりが可能になります。立地に振り回されず、自分の店のイメージに合う場所を柔軟に選択できる点も大きなメリットです。
■ 人気店の多くは「意外な場所」にある
行列ができる人気店の多くは必ずしも一等地にあるわけではありません。隠れ家的な住宅街の一角、駅から少し離れた場所など、「え、こんな場所に?」という立地でも、コンセプトが強く支持されれば人は自然と集まります。
一等地にあるという理由だけで高家賃を背負い、固定費に苦しむケースは少なくありません。むしろ、場所よりも「その店ならではの価値」を磨くほうが、結果として強い集客につながります。
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■ エリアの絞り込みは“目的ではなく手段”
では、立地をまったく気にしなくても良いのかというと、もちろんそうではありません。重要なのは「店のイメージに合うエリアかどうか」という視点です。
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エリアを絞り込む方法として次のような考え方があります。
- 自分が馴染みのある地域
- 日常生活圏の周辺
- 元の職場や働き慣れた地域
- 想定する客層が多い街
- 今後発展する可能性のあるエリア
いずれも“店のイメージ”が出発点になっています。つまり立地選びは目的ではなく、理想の店づくりを叶えるための手段なのです。
■まとめ:これからの時代の出店戦略とは
総じていえば、店舗開業で最も重要なのは立地そのものではなく、「どんな店をつくるのか」というビジョンです。これが明確であれば、一等地にこだわる必要はなく、まるっと居抜きを活用して効率よく開業する選択肢も広がります。
場所を追いかけるのではなく、自店の価値を軸に立地を選ぶこと。それこそが、これからの店舗ビジネスにおける賢い戦略といえるでしょう。
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